Melencolia I by Albrecht Dürer, 1514

メランコリアⅠ – 壁の魔方陣は木星のお守りである

この版画は、お守りとして機能するように作られた可能性があります。当時influentialだったマルシリオ・フィチーノの説によれば、憂鬱は土星がもたらすものであり、それを打ち消すのは木星でした。そして画面右上に掛かっている4×4の魔方陣は、木星の方陣です。縦横斜めのどこを足しても34になります。デューラーはこの場面のなかに、土星の重さに対抗するための護符を掛けておいたことになります。

基本情報

何も動いていません

この画面を見るときの手がかりは、道具の状態です。

鋸があり、鉋があり、釘があり、金槌があり、鉗子があり、坩堝があり、球があり、多面体があり、天秤があり、砂時計があり、鐘があり、梯子があります。

そのどれ一つとして使われていません。すべて床に転がっているか、壁に掛かったままです。

中央の有翼の女性はコンパスを手にしていますが、測っていません。持っているだけです。頬杖をつき、視線は画面の外の一点に向いています。

傍らの小さなプットーは何かを書きつけていますが、書いている内容は見えません。犬は痩せて、丸くなって眠っています。

そして彼女には翼があります。飛べるはずの存在が、地面に座り込んでいます。

この画面が描いているのは、能力の欠如ではありません。すべての道具と能力が揃っていて、それでも何も始まらない状態です。

魔方陣

右上の壁に掛かる4×4の数字の配列は、この作品のなかで最も分析されてきた部分です。

縦、横、対角線、四隅、中央の四マス——どの組み合わせを足しても34になります。

そして最下段の中央に「15」と「14」が並んでいます。制作年です。その両脇の「4」と「1」を、デューラーのイニシャルであるDとAに対応する文字の順番と読む解釈もあります。

ただし冒頭に述べたとおり、この方陣の本来の役割は暦の記載ではありません。ルネサンス期の占星術において4×4の方陣は木星に割り当てられており、木星は土星の憂鬱を和らげるとされていました。

つまりこれは、絵のなかに描かれた対抗呪術です。

多面体

画面左寄りに置かれた石の塊は、デューラーの立体と呼ばれています。八面体の二つの頂点を切り落とした形で、六つの菱形と二つの三角形からなります。

この形が正確にどのような角度で作図されたのかは、数学者たちが今も議論しています。デューラーは幾何学の著作を残した人物であり、この立体は思いつきの形ではありません。

そして一部の研究者は、菱形の面のひとつにかすかな頭蓋骨が見えると指摘しています。強い斜光を当てた写真でのみ確認できる程度のものです。

その他の見どころ

空の光体。水平線の向こうに虹が架かり、その上に光を放つ天体があります。1513年のハレー彗星、1503年の流星、あるいは土星そのものという説が並んでいます。

題名を運ぶもの。左上を飛ぶ生き物が「MELENCOLIA I」と記された垂れ幕を掲げています。通常コウモリと説明されますが、コウモリにはない特徴があり、複数の生物を合成した形とする見方もあります。

光と闇。これは版画です。色はなく、明暗はすべて線の密度で作られています。近くで見ると、灰色に見える部分がすべて刻まれた線であることがわかります。デューラーはこの技法で、油彩に匹敵する階調を実現しました。

詰まっています。この画面には余白がほとんどありません。物が空間を埋め尽くしており、それが重さの感覚を作っています。

「I」とは何か

題名の末尾の「I」については複数の説があります。

連作の第一作を示すという解釈が最も一般的です。ただし続編は存在しません。

もう一つは、ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパの分類に基づくものです。アグリッパは憂鬱を三段階に分け、第一段階を想像力と技芸に関わるもの、すなわち芸術家と職人の憂鬱としました。この解釈に従えば、「I」は順番ではなく種類を指します。

歴史的背景

1514年、デューラーは母バルバラを亡くしました。彼は母の臨終の様子を日記に詳細に書き残しており、その記述は苦痛に満ちています。

同じ年に、彼は生涯の代表作とされる版画三点を完成させました。『書斎の聖ヒエロニムス』、『騎士と死と悪魔』、そしてこの作品です。この三点は「マイスターシュティッヒェ」と呼ばれます。

興味深いのは対比です。聖ヒエロニムスの書斎は穏やかで、光が満ち、犬もライオンも眠り、仕事が進んでいます。この作品はその裏返しです。同じ室内、同じ道具、同じ動物、しかし何も進みません。

アルブレヒト・デューラーについて

デューラー(1471~1528)はニュルンベルクに金細工師の子として生まれました。父の工房で金属を彫る技術を身につけたことが、後の版画の精度につながります。

二度のイタリア旅行を通じて、遠近法と人体比例の理論を北方にもたらしました。理論家としても著作を残し、1500年の自画像に見られるように、画家という職業の地位そのものを引き上げようとした人物でもあります。

摺りによって違います

版画ですから、どの摺りを見ているかが問題になります。

この作品には二つの状態が区別されています。初期の摺りでは魔方陣の「9」が反転しており、後の摺りでは修正されています。

加えて、初期の摺りは線が鋭く、階調が明瞭です。版が摩耗した後期の摺りでは、細部が潰れます。同じ図像でも、印象はかなり異なります。

各館が公開している画像を比較すると、その差が確認できます。

遺産と影響

この作品は、憂鬱を欠陥ではなく天才の徴として提示した図像の起点とされます。19世紀のロマン主義がこの読み方を継承しました。

ヴァルター・ベンヤミンは『ドイツ悲劇の根源』でこの版画を論じ、アビ・ヴァールブルクとその後継者パノフスキー、ザクスルによる1923年の共同研究『デューラーのメランコリアⅠ』は、図像学という学問の方法そのものを形作った仕事です。

一枚の版画にこれほど大量の研究が積み上がった例は、他にほとんどありません。

作品が見られる場所

版画ですから複数の美術館に摺りがあります。ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドンの大英博物館、ウィーンのアルベルティーナ、ワシントンのナショナル・ギャラリー、そして彼の故郷ニュルンベルクのゲルマン国立博物館などです。

ただし紙の作品は光に弱く、常設展示されません。特定の美術館を目的に行かれる場合は、必ず事前に公式サイトで展示の有無をご確認ください。

メトロポリタン美術館については一点注意があります。「希望額を払う」方式はニューヨーク州の住民と近隣三州の学生にのみ適用され、海外からの来館者は所定の金額を支払う必要があります。

そしてこの作品に関しては、高解像度画像での鑑賞が実物に劣りません。24センチの紙に刻まれた線を細部まで検分するには、拡大できるほうが適しています。多面体の面の陰影や、魔方陣の数字の形は、画面上のほうがよく見えます。

この版画の前で最後まで残るのは、憂鬱ではなく在庫です。道具はすべて揃っています。鋸も、鉋も、天秤も、コンパスも、幾何学の知識も、翼も。足りないものは何もありません。それでも彼女は座ったままです。

画像: Melencolia I – アルブレヒト・デューラー、1514年。ライセンス: Public Domain. 出典: Wikimedia Commons.

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